yummydance|ダンスワークショップ~就労継続支援A型事業所
2024年11月20日(水)
就労継続支援A型事業所 ほまれの家丸亀
ダンサー:yummydance(合田緑、高橋砂織、得居幸)
愛媛県松山市を拠点に国内外で活躍する、コンテンポラリーダンスカンパニー「yummydance(ヤミーダンス)」が、11月18日から24日にかけて丸亀市内に滞在し、市内の福祉施設、小学校、コミュニティセンター各所で行ったワークショップ。
滞在3日目の20日は、ヤミーダンスメンバーの合田緑さん、高橋砂織さん、得居幸さんが、丸亀市土器町東にある「ほまれの家丸亀」を訪れました。
ほまれの家丸亀は、障害や難病などがある方の働く機会や社会的活動をサポートしている就労継続支援A型事業所です。
10代から60代まで幅広い年代の約20名が、クラフト制作や販売などの仕事に取り組んでいます。
ほまれの家丸亀では、通常の日課だけでなく、利用者さんの日常生活の充実につながる活動も大切にしていて、利用者さん同士が仕事以外の活動を通して交流する機会として、また、普段なかなかふれることのないコンテンポラリーダンスを体験できるということで、今回ヤミーダンスのワークショップを開催することになりました。

ワークショップでは施設の利用者さん14名と職員さん4名が参加。「今日はどういうことをするのだろう」という雰囲気のなか、初めに全員が輪になって椅子に座り、自分の両手を合わせてさすってから、ゆっくりと離していき、両手の間にエネルギーを感じるワークが始まりました。
「じんわりと手が温まってきますね」というヤミーダンスメンバーの声掛けもあって、参加者それぞれが少しずつ手の感覚やエネルギーのイメージに意識を向けていきます。

次に、両手の間のエネルギーをとなりの人に渡していくワーク。ヤミーダンスの得居さんをスタートに、右側に座っている人に順番に渡していきます。 受け取ったエネルギーや、次の人に渡すエネルギーのイメージは人それぞれで、手を動かすスピードや動きの大小、そこから生まれる質感の多様さや面白さに、みなさん驚いたり笑ったりと、会場の空気がだんだんと温まってきました。

続いて、ヤミーダンスの声かけや動きに合わせて、両足や肩、頭など、他の部分も動かして、身体の色々な部分を感じながら身体全体をほぐしていきました。
身体が暖まったところで、一人が椅子から離れて、肘をくるくると回しながら、座っている誰かのところに行き、肘と肘でタッチする、というワークが始まりました。 タッチされた人は椅子を譲り、前の人と同じように肘を回しながら、座っている誰かのところに行って肘タッチ、この一連の動きを繰り返します。

途中から弦楽器の軽やかな音楽が流れ始めると、肘を回している動きがダンスのようになってきて、誰かのところに向かう動きも、直線的なものから曲線的になったり、ジグザグに動いたりと、音楽に合わせて参加者から色々な動きが生まれ、会場には驚きの拍手や、楽しい雰囲気に笑い声もあがりました。

肘タッチに続き、「自由に遊びましょう」というヤミーダンスメンバーの声かけで輪の中央に集まり、膝や手なども合わせ、リズミカルな音楽やゆったりとした優しい雰囲気の音楽など、色々な種類の音楽に合わせて動きました。
輪の中で様々に動く参加者の姿は、まるでダンス公演を見ているようです。

最後に音楽に合わせて一対一で「言葉を使わずに身体だけで会話をする」ワークを行いました。
身体だけで一人の人とコミュニケーションをとることに、どうしたらよいか戸惑う様子も見られましたが、はじめにヤミーダンスのメンバーと組んで挑戦することで、少しずつ自由に動く感覚で楽しめるようになっていったようです。

ワークショップを終えて、参加者から「日頃一緒に働いている人達の普段とは違った一面が見られて大変面白かった。ダンスを通じて普段とは違う心境にもなり、自分の中の一面にも気づかされました。」 「いろんな人たちと、普段しないことをして楽しむことが出来て大変良かった」など、感想をいただきました。
そして、ダンスのワークショップのほか、音楽のコンサートなども鑑賞してみたいというお声も多くいただきました。
職員さんからは「利用者さんがリフレッシュする機会となったと思う」 「利用者さんの楽しんでいる姿を見られて良かった」などの感想とともに、現場からの視点で様々なアドバイスをいただく機会となりました。