yummydance コンテンポラリーダンスワークショップ
2024年11月24日(日)
土器コミュニティセンター(参加者:24名)
ダンサー:yummydance(合田緑、高橋沙織、得居幸)
参加者を一般募集して開催した今回のワークショップには、市内外から、小学生から80代の方まで幅広い方々が参加。「ダンスが好きだから」「楽しそうだから」「チラシに書いていた“おいしい”ダンスに興味があったから!」など、申込理由も様々です。
「あまり緊張せずに、自分の身体で遊んでみようかな、というくらいの感じで楽しんでください!」というyummydanceのみなさんからの挨拶でスタートしましたが、ほとんどの方が初対面なので、やはり少し緊張した雰囲気です。

まずは大きな輪になって、隣の人に目には見えない“なにか”を渡していくような動きから始まります。最初は手・腕を使って、次に足を使って隣の人に触れていきます。

少しほぐれてきたところで段々と動きを大きくしていきます。輪の中をダンスをしながら通って離れたところに座っている人にタッチ、タッチされた人はまた別の人のところへダンスをしながら移動していきます。
少し戸惑いながらもそれぞれのダンスで移動をしていくと、yummydanceのみなさんから「おぉ!」「いいですね!」「素晴らしい!」と声掛けがあります。
どんな動きも素敵、型にはまらず自由に動いていいんだという空気が作られていきます。
ここで「みんなのことをもっと知ろう!」ということで次のワークに移ります。「○○な人」という呼びかけに、当てはまる人は立ち上がって自由にパッとポーズを取ります。呼びかけをするのは誰でもかまいません。

「今日うどんを食べた人!」「長男長女!」「冬より夏が好き!」「人に言えない秘密がある人!」など、次々に繰り出されるお題にパッとポーズを取っていくため、瞬発力が試されます。誰がどんなお題を出すのか、誰が当てはまっているのか、どんなポーズを取っているのかを見ているうちに、参加者さん同士の緊張感が少しずつ解けてきて、笑い声もあがります。

今度はダンスをしながら円の中心で自分の名前を言っていきます。個性あふれる“自己紹介パフォーマンス”に、皆さん笑顔で自己紹介しあう時間が流れます。

少しずつ参加者さん同士の個性が分かってきたところで、 ここからは立ち上がって動いていきます。
まずは誰にもぶつからないように少し早足でぐるぐると歩き回って、誰かが止まったら止まり、動きだしたら動きます。続いて、目が合った人がいたら一緒に5秒間面白いポーズを取り、また歩き出すというワークに移っていきます。
様々な組み合わせでおもしろいポーズが次々と生まれていきます。


その後は、自分の体をしっかり感じてみるワークに入ります。体に鉛筆が付いていると思って自由に絵を描くような動きをしたり、肩やお腹、かかとなど体の色んな部分を意識してそれぞれを基軸に動いてみたり……。「やわらかく」「角度を変えてみて」というyummydanceのみなさんからの言葉に合わせて、少しずつ動きの幅が広がっていきます。

次に2人組を作って、触る人と動く人を決めます。触る人が相手の身体のどこかに触れたら、動く人はその部位を起点に身体を動かしてみます。
しばらく動いてみた後、全体を半分に分けて、他の人がどんな動きをしているかを見てみました。自分の意志とは無関係に触られたところを動かすため、普段動かさないようなところを使ったり、自分でも思ってもいないような動きになったり、自分の身体の動きも新鮮に感じる時間です。
「不思議な感じがしておもしろかった」「物語を感じるような動きだった」など様々な感想が出ました。「一人の時でも、この触られた感覚を思い出して動いてみると、ちょっとしたダンスが楽しめるのでやってみてください」と高橋さん。

続いては、また別の2人組を作って、会話をするように踊ってみるというワークに挑戦です。
相手の動きの意図や、動きの切れ目をよく見て動きを返していきます。 言葉を使った会話と違って、なにを表現しているのか、どこで話が終わったかが分かりにくいため、より汲み取ろうという意識が強くなります。
「わからないからこそすべて受け止めようという意識になった」という感想もあり、言葉を使ったコミュニケーションにおいても大切なことが浮き彫りになる感じがしました。
ここで少し休憩です。休憩時間にはこんな光景も!この日初対面ですが、ここまでのダンスを通じてすっかり打ち解けています。

さて、いよいよワークショップも大詰めです。
音楽を流しながら、yummydanceの簡単な振付に加えて、各々自由に丸を描く動きを作っていきます。同じ振付でも、テンポや細かな動きに個性が出ます。足を使って丸を描く人もいれば、身体全体で丸を表現する人も。


慣れてきたところで、さらにyummydanceが振付を追加、今日のワークショップでやってきた動きを足していきます。次に部屋の端から好きなところまで歩き、バラバラの方向を向きます。次に誰かが動いたら振付に入り、丸を描いた後に、誰かに触ってもらったと思って体を3~4カ所動かします。最後にまた少し歩いてから、自由に2人組を作ってダンスでの会話をしておしまいです。
全体的にバラバラの動きでありながら、間に同じ振付が入ることでメリハリが出ます。本日の集大成として振付をみんなで音楽に合わせて踊ってみると、まるで1つのダンス作品が完成したようで、自然と拍手が起こりました。
最後にもう一度輪になって、最初のワークをもう一度やってみます。最初と比べてみなさんの距離が近く、自然と小さな輪になりました。最初とは全く違う、それぞれに自由さを増したダンスが披露され、この90分がとても濃い時間だったことが感じられます。


ダンス未経験の方からダンス歴30年以上の方まで様々でしたが、年齢も経験も関係なく、誰と誰がペアになってもおもしろい、どんな動きもダンスとして互いに楽しめる雰囲気がとても素敵なワークショップでした。

